「お客様視点」がムズカシイ

広告

日本語って面白いですよね。

ひとこと、むずかしいと書くのでも

難しい

ムズカシイ

むつかしい(変換すると難しいになる)

こんな特性もある日本語を駆使しておこなう広告の仕事。

やっぱり面白い仕事だなあって思います。

 

さて、「私たちは何者?」をハッキリさせる2018年。

過去に記したさまざまな資料も引っ張り出して、まずは会社案内の完成を目指しています。

 

 

突然ですが、これを読んでいるあなたは、「お客様視点」と聞いて、どんなことをイメージされるでしょうか?

広告の仕事で何が難しいって、これが一番ムズカシイ!!って思うんです。

広告を一生懸命手がけている私たちでも、お客様視点をふと忘れてしまうことがあるくらいですから。

 

このむずかしさについて、デザイナーの涼子さんが数年前、資料づくりの際に語ってくれていました。

今見ても超名文でしたので、少し加筆をしながら、書き下ろします。

 

お店や企業側が考えている「お客様」とは、“商品を買ってくれるだろう”という期待を込めた見込み客。

実際の世間のニーズとは異なることが多いのです。

お店・企業が、お金をかけて商品を開発して、キャンペーンをして、イベントを開催して、広告も出して、とそこまでやって期待をしてしまう気持ちは当然です。

でもそれ以上に、世間はドライでクールだったりします。

あなたの家の近くのお店を想像してください。

今、何のキャンペーンをしているか分かりますか?

新商品は何だか分かりますか?

 

コンビニエンスストアに行けば、行くたびに変わるPOP。どんどん出てくる新商品。

例えば飲料。短いサイクルで商品がどんどん変わり、TVCMなどの広告を出します。

大手メーカーでさえも、今、お客様に伝えることが大変になってきているのです。

デザイナーの私が言うのもおかしいかもしれませんが、

「広告は見てもらえるもの」ではなく、

「見てもらえなくて当然」なのです。

だからこそ私はデザインを手がける際に、

「世間の人たち」=「お茶の間からの視点」をしっかり考えることを特に重要としています。

 

クライアント様からは、キレイなデザインを求められることが多くあります。

洗練され、こだわりのある素敵なお店ならば、なおさらでしょう。

もしキレイな紙面が目的(真のご要望)に合っているのなら、私もそのように作りますが、目的に合っていないのであれば、その旨をお話します。

必ずしも、キレイ=いい広告ではない”からなのです。

 

 

 

1980〜90年代、マスメディアが全盛期の頃、テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどを通して、企業側の発信する新たな商品情報を消費者は、素直に受け入れていました。

当時は今と比べて、(私たちが受信する)情報量が少なかったので、受け入れやすかったのでしょう。

 

その状況が変わってきたのは、1990年代以降。

企業側の一方的な説得から、ソフトな提案型の広告になっていきました。

「これがいい」というのではなく、「こういう良さがあるのですが、いかがでしょうか?」というように。

雑誌では記事に溶け込むタイアップ広告やキャンペーンなども、この頃から。

 

さらに2000年代からは、情報の流れが一方通行から、双方向になっていきました。

ブログ、SNSなど、一般ユーザーが発する評価やコメントに、皆がリアリティを感じるようになりました。

現在は“共感”の時代だと言えます。

そのため、ただ情報を伝えても、人々の心をつかむことができないのです。

だから今こそ、デザインは重要なのです。

 

 

デザインとは、目的に対して、

伝えたい人に伝えるために、思考や情報を整理して、最適な形にすることです。

デザインは「キレイな形や美しさを作ること」であると、漠然と思われがちです。

一見、格好良く見えるかもしれません。

しかしそれらが、人の心に届いたり、長く心に残るものではないと思います。

(補足で付け加えるとすれば、のちに印象に残るデザインというのは、人の心に最短で届くための計算がされつくされており、結果として「キレイ」「カッコいい」と審美的にも評価をされることになる)

 

日本には昔から、ものづくりに対しての強い思いがあるので、「使ってもらえればわかる」「食べてもらえばわかる」とよく企業さんやお店の方はおっしゃいます。(2018年現在ももちろんいらっしゃいます)

しかしそれは、使ってもらわなくては、食べてもらわなければ分からない、ということです。

言わずもがな、世の中には多くの商品・サービスが存在していて、まず手に取ってもらう、来店してもらうだけでも一苦労です。

手に取ってもらえたとしても、そのもののすべての価値が伝わる訳ではありませんよね。

だからこそ、経営戦略、商品戦略だけでなく、デザインの力をあらゆるビジネスに取り入れるべきだと考えます。

 

↑ この看板、正方形です。

従来の看板のセオリーどおりではないですね。

ということは、インスタグラムを強く意識して、SNSで拡散しやすいデザインにしているんです。

↑ そして、タリーズコーヒー。

家族連れが座る用の低いソファーが並ぶ場所に、大きなぬいぐるみが置いてありました。

子供はやっぱりそちらに吸い寄せられ、当たり前に写真を撮り、SNSで拡散。

狙い通り、ですよね。

 

 

前回、デザインに関するブログを書かせていただいた際、「アメリカではスーパーマーケットにも、大卒の一流デザイナーが所属している」とのお話を、デザイナーさんからいただきました。

私たちのデザインの捉え方は、まさにこういうことです。

 

一つの事業に一人のデザイナー。

一つのお店に一人のデザイナー。

理想的なのは、一つのプロジェクトに一人のデザイナー。

 

そして、最小単位の個人が、デザインへの理解を深めたら、私は世界を変えられるとまで思っています。

 

デザインは神の所業。

人間は神にはなれませんが、デザインで未来を創造することは出来るのです。

 

 

 

時事Q&A

Q. よく使うスマホアプリは?
A. メモ

 

私は3歩歩いたら忘れてしまうくらい、物忘れがひどいです。テスラのイーロン・マスクは、アイデアが泉のように湧いてくるので、ワイシャツのボタンがかけられないと聞いて、「俺もこれじゃん!」と正当化をしておりますが…。そんな訳で、iPhoneとMacbookで共有できるメモアプリによって、仕事のやり方ががらっっっっっと劇的に変わりました。アウトプット時代に移行していますから、乗り遅れるわけにはまいりません!

 

ご意見・ご感想などいただけると嬉しいです!

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